源平合戦の舞台・屋島(高松市)の山頂にある新屋島水族館が、「SNS映え」で人気に火がついた。主役は、傘を差すアザラシとショーでイルカより目立つ飼育員。客の減少で休館を経験したとは思えないほど、人が押し寄せている。
水面から上半身を出し、前脚で傘を挟む。ゼニガタアザラシの水雨(みう、メス推定22歳)と海雨(かいう、オス同10歳)が、1日1回のショーの中で披露している。
水槽の前には毎回、県内外から100人ほどが集まる。徳島県吉野川市の会社員、宮田和典さん(40)は「癒やされる」とカメラを片手に話した。
人気のきっかけは、昨年9月にツイッターで「かわいい」と投稿された写真。たちまち拡散し、ショーの1時間前から待たないと人混みで見えないようになった。梅雨から夏にかけての芸だったが、年が明けても続けている。飼育員の長沼ひかりさん(23)は「やっと報われた」と笑顔だ。
水族館は昨年に開館から50年を迎えたが、2006年には客の減少で休館に追い込まれた。すぐに今の会社が経営を引き継ぎ、再オープンしたものの、休館を味わった飼育員らは、来場者を増やそうと新しいことに取り組むようになった。
傘の芸もそれで生まれた一つ。2頭は飼育員がえさをやるとき、手を握ってきた。試しに差し出した木の棒を持てたことから、練習を重ねたという。今は、傘以外の物に挑戦中だ。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル